土地探しのコツとは?優先順位、探す方法、ポイントを徹底解説!

土地探しは「単純に土地を探せばよい」と思っている方がとても多いのですが、実際には考えなければならないポイントがたくさんあります。

今回は焼津市で30年以上不動産業界に従事しているアイ・ランドの、プロ目線から見た土地探しのコツをご紹介します。

土地探しのコツと優先順位


これから自分の家を建てる方にとって、土地探しは重要な課題であり、なるべく土地の状態や周辺の住環境が整っているところを選びたいものです。不動産業者に全部任せてしまいがちですが、後で後悔することにもなりかねないため、土地探しのコツはきちんと把握しておきましょう。

希望する土地の条件をまとめておく

土地探しを始めるときは、まず希望する土地の条件をピックアップし、優先順位をつけておくことがおすすめです。土地の形状によって建てられる家の間取りなども考慮しなければなりませんし、周辺の住環境によって住み心地も変わってきます。どのような土地を住みやすいと感じるかも、人によって違うでしょう。

また子供を公立小学校に通わせる場合、就学前なら子供に通わせたいと思う学校の学区内、就学後ならできるだけ転校しなくてもよい現状の学区内で土地を探す方が多いです。該当する学区で理想の土地を見つけることが難しい可能性もあるため、選択肢が多い段階から早めに土地探しを始めることをおすすめします。

実際に土地周辺の住環境を確認する

土地探しの条件をピックアップして優先順位をつけたら、実際に土地を見に行って周辺の住環境をリサーチします。自ら土地を取り巻く状況を確認し、その土地に住んだときにどうなるかをシミュレーションするのです。

上記で説明したような条件に当てはまっているかはもちろん、平日と休日では住環境が変わることもあるため、土地のチェックは曜日・時間をずらして何回か行うのがコツです。

建てたい家のコンセプトを考えておく

土地探しの前には、住みたい家をイメージして、建てる家のコンセプトを決めておきましょう。コンセプトを先に決めることで、それが実現できる建築会社を見つけられますし、その建築会社の住宅相場をもとに土地に使える予算が算出できるので、土地を決めた後の予算不足で生じがちな間取り・住宅設備等に制限が出る事態も避けられます。

コンセプトを決めず、住宅展示場で何気なく訪れたハウスメーカーで土地を探してもらい、そのハウスメーカーにそのまま建築まで依頼してしまう方が多いですが、「ZEH住宅」「デザイン性重視」「輸入住宅」などコンセプトを明確にしてから住宅会社を探したほうが、予算を柔軟に組み立てられます。また納得できる住まいも建てやすくなります。以下でも詳しくご紹介します。

土地探しの方法


土地探しにはいくつかの方法があります。土地のことが何もわからない状態なら専門家に相談する、こだわりがあるなら自分自身で情報を集めるなど、それぞれに合った方法を選びましょう。

建築会社・ハウスメーカーに探してもらう

土地について知識や情報をあまり持っていないなら、専門家である建築会社やハウスメーカーに相談するのが一番の近道です。以下のようなメリットがあります。

不動産会社との強いネットワークがある

建築会社やハウスメーカーは地元の不動産会社との接点が多いため、土地に関する情報を持っており、希望に合わせた土地を提案してもらうこともできます。

売買前の土地を紹介してもらえる

建築会社やハウスメーカーでは、売買される前の土地を紹介してもらえる可能性があります。民間に払い下げられる国有地をはじめ、分譲地や更地として売り出す前の土地の情報をすでに押さえていることがあるためです。これにより、おのずと土地の選択肢が広がり、希望の条件に合う土地を見つけやすくなります。

総予算から逆算した残り予算で土地を探すことが可能

建築会社やハウスメーカーは、客様の総予算から自社の住宅の坪単価と諸経費を差し引き、残りの予算で対応できる土地を探してきます。そのため、建てたい住宅のコンセプトが明確に決まっている場合は、ご自身の総予算にフィットした住宅の建築がしやすくなります。

ただし、コンセプトが明確に決まっていない場合は注意も必要です。上述の通り、住宅展示場で訪れたネームバリューのある建築会社やハウスメーカーは、自社で建築をしてもらうため、予算のバランスを十分に加味した提案をします。

コンセプトを持っていない場合、予算内でできる一般的に人気な家を提案され、その流れで契約。その結果、住宅の知識が備わってきた頃に設置したくなった設備や間取りを実現することが難しくなる状況が多々生じます。

この状況を回避するためにもご自身が実現したい住宅のコンセプトを明確にした上で、予算内でそれが必ず達成できる建築会社・ハウスメーカーに土地探しまで依頼するのをおすすめします。

不動産ポータルサイトから探す

近年増加してきた、不動産ポータルサイトから探す方法は、土地に関する条件や周辺の住環境をある程度把握している人におすすめです。

希望の条件から簡単に検索できる

不動産ポータルサイトでは、希望する土地の条件や予算を入力して検索でき、ヒットした複数の土地を簡単に比較できます。比較的手軽に土地探しができる方法ですが、サイトで見つけた土地には実際に足を運んでみるのがいいでしょう。

鮮度の高い情報が得られる

不動産ポータルサイトに掲載されている土地情報は随時更新されています。登録して間もない売りに出されてすぐの土地も掲載されているため、条件のよい土地を購入できるチャンスが広がります。

ポータルサイトで注目した不動産業者に探してもらう

上記の不動産ポータルサイトの中で、信頼できそうな不動産業者を探して直接相談するのも方法の1つです。メリットは以下の通りです。

売主物件だったら仲介手数料がかからない

業者が売主となる売主物件なら、仲介手数料を支払う必要がありません。また、自社で取り扱っている土地には、自ら物件の不具合に責任を負う「契約不適合責任」が生じることから、メンテナンスも充実していることが多いです。

ポータルサイトに掲載していない土地もある

不動産業者は、ポータルサイトに掲載していない土地の所有・情報の把握をしていることがあります。このようなケースは、不動産業者が広告掲載料と仲介手数料を比較し、高い広告掲載料を支払うことを渋っている場合などが考えられるでしょう。そのため、直接不動産業者に相談すれば、ポータルサイトに掲載されていない物件に出会える可能性があるのです。

条件にあった土地を探すことができる地元のネットワークがある

不動産業者の中で、特に地元で古くから営業しているところは、地元のネットワークが充実しており、細かな条件に合った土地を提示してくれることが多いです。地元の土地の特性をよく理解し、形状や地盤などの細かい情報も持っているため、条件に合うかどうかだけではなく、「安全・安心に住める家を建てられるか」について信頼できる情報を提供してくれます。

土地探しのポイント


施主の方が土地探しをする際は、あくまで生活しやすいかどうかを基準に考えましょう。建築基準法に基づいた建築要件については、建設会社に任せて問題ありません。土地探しの際は、下記のような点を重点的にチェックしましょう。

通勤・通学の便が良い

土地探しの基本として、通勤や通学しやすい場所にあるかは重要です。通勤・通学は生活の基盤であるため、この点は住みやすさを考えたときに外せません。たとえば、以下のような土地なら通勤・通学に不便を感じず、快適に生活することができます。

・会社や学校まで歩いて行ける
・通勤、通学路が安全で開けた道である
・駅から近い
・バスなどで通うことができる
・交通機関を使っても時間がかからない

特に、子供の通学については、できるだけ歩く距離を少なくした方が防犯上の観点からも安全です。

買い物の便が良い

普段の買い物が便利にできるかどうかも大事なチェックポイントです。土地探しでは、特に以下のような点に注意してください。

・スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが近くにあるか
・ス―パーなら、できるだけ安い買い物ができるか
・営業時間内に買い物ができるか
・品ぞろえは豊富か

これらの点をチェックするためにも、希望の土地に実際に出向いて周辺を見て回ることも大切です。

前面の道路の幅が広くしっかり舗装されている

車を所有している場合、土地から車を安全に出し入れするためには、土地前面に接する道路に十分な幅がなければなりません。さらに、道路がきちんと舗装されていた方が、より安全に出かけることができます。

ちなみに、建築基準法では建物と接する道路は4m以上の幅員がなくてはならず、幅員4m未満の場合は道路の中心線から敷地までの幅を2m以上取ることが基本的に義務付けられています(セットバック)。この場合、敷地が狭くなることでおのずと建物の条件に制限が出るため、注意が必要です。

日当たりが良い

家の中に十分に日光を取り込めるか、日当たりの良さに関して以下を確認しましょう。

・隣の建物が密接していないか
・土地の向きは日光を効率的に取り入れられるか
・朝から夕方までを通してよく日当たりが受けられるか

ちなみに、日当たりの良い家には以下のようなメリットがあります。
・断熱性の高い家なら日光の熱を取り込み、冬でも空調にかかるコストを下げられる
・照明を使う時間が減り、電気代の節約になる
・洗濯物が乾きやすい
・家の中に湿気がこもりにくい
など

騒音問題がない

見逃しやすいのが騒音についてです。土地探しの段階で騒音がないかどうかを確認することが大切。たとえば、以下のような環境は騒音問題が起こる可能性が高いです。

・幹線道路に近く車通りが多い
・鉄道の線路が近い
・繁華街や商店街に近く、人の話し声などが聞こえやすい
・工場が近く機械音などが響く
など

騒音問題を避けるためには、昼と夜の両方の周辺状況をチェックしましょう。昼間は多少うるさくても夜間は静かという場合もありますし、夜間まで騒音が続く場合もあります。騒音については業者の話を聞くだけではなく、実際に足を運んで自分が今後生活できそうかどうかを判断することが大切です。

ニオイ問題がない

騒音と同時に注意すべき点の1つがニオイです。周辺にニオイが生じやすい施設などがあると、快適な生活がしづらくなります。以下のような環境には注意が必要です。

・ゴミ収集所が近い
・幹線道路の近くで排気ガスのニオイがする
・家畜を飼育する施設が近くにある
・飲食店のダクトから排出されるニオイがある
・工場が近くにあり、煙などのニオイが気になる
など

これらのニオイ問題も、実際にその土地を訪れてみないとわからないことです。こちらも昼と夜の両方に足を運び、時間帯ごとにニオイの強さが変わるかどうか確認することをおすすめします。

地盤が強い土地を選ぶ

土地探しでは、できるだけ地盤が強い土地を選ぶようにします。地盤が緩い土地は、地震や水害などの災害で崩れてしまう可能性が高いためです。特に、川や海の近く、池や沼などを埋め立てた土地である場合、地盤が緩いことが想定できます。専門家による地盤調査は土地を購入した後ですが、下記のように事前に土地の地盤の状況を調べる方法があります。

・国土交通省などが提供するハザードマップで、災害時の危険を確認する
・図書館などで住宅地となる前の地図を確認し、池や沼を埋め立てた場所かどうかを調べる
・土地の不動産登記謄本を不動産業者などに見せてもらい、過去に池や沼であったかどうかを見る
・古い地図や、法務省提供の旧土地台帳で過去の地名を調べ、水関連の地名がついていたかを確認する

子供と同年代の家族が近くに住んでいる

自分の子供と同年代の子供を抱えるご近所さんがいると、子供同士が仲良くなり、自然と家族ぐるみの付き合いに発展することがあります。その結果、近隣住民との関係性も良好になり、住みやすい環境を作れるのです。

ご近所付き合いでトラブルを起こしてしまうと、最悪の場合は引っ越しを余儀なくされるケースも考えられます。そのため、土地探しの際に、近隣住民に挨拶して、さりげなく家族構成を確認するのもよい方法です。

都市計画などの将来性

希望の土地周辺が、都市計画法による「市街化区域」であった場合、都市部としての開発で幹線道路や商業施設が整備され、生活の利便性が向上する可能性があります。そのため、今現在の住環境ではなく将来性を考えて土地を選ぶのも、1つの方法です。

一方で、希望の土地が都市計画法により「都市計画道路予定地」として指定されている場合、将来的にその土地に道路が建築される可能性があります。「都市計画道路予定地」とは、予定として道路整備が検討されている土地のことですが、その事業計画が進んでいないまま土地が販売されているケースも少なくありません。このような場合、将来的に立ち退きを余儀なくされることもあるため、事前に確認が必要です。

土地探しのコツを理解して良い土地を見つけよう


土地探しの一番のコツは、自分が住みやすい場所であるか否かです。住みやすい場所の条件は、人それぞれ違いますから、まずは自分の理想を明確にすることが大切です。周辺の住環境や希望する家のコンセプト通りの家が建つかどうか、災害に強いかどうかなど、確認すべきポイントはたくさんあります。家を建ててからの生活をシミュレーションし、自分に合った土地探しをしてください。

(Visited 1,593 times, 1 visits today)